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kingdom(In The Realms of)

  • violetapplemachine
  • 8月10日
  • 読了時間: 1分

鮮血のような太陽が、

朽ち果てたコンビニのレジ袋が

置き去りにされたままなのを

干からびるまで溶かそうとしていた。


地団駄を踏む、

地団駄を踏む、

地団駄を踏む。


同時に、

童話の登場人物たちは、私の中で

いつでも私を待っており、私を愛している


溶けて崩れたのは何であったのか、

プラスチックの塊だったのか、

いやあれは私だった。


液体になった私は

何かの元に流れてゆくのだった。


それは私を愛する童話の非現実の優しい人々であったかもしれないし、

そう、非現実の王国へ



書いている。

半ば意識なく書き殴っている


原初のリズムで

いつものありふれた文体で


呪いあれと私は願ったかもしれないし

光あれと誰かの幸せを願い続けている


流動体、

はみ出し者たちのアジテーションは

いつだって私を鼓舞してきた


生き抜くんだ

生き抜け。

生き抜いてくれ

 
 

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