我が憤怒
- violetapplemachine
- 8月10日
- 読了時間: 2分
ひとつ、ふたつ、みっつ。
みっつ、ふたつ、ひとつ。
その光は人の形を採っており、
人型の容器に我々はおさまり、
そうであるから我々は群れを成す
我々光たちは滑車より遅く、水車よりは速く。
(一個の魂に、あえなく鈍く光る魂の一群が突き立つ
二個の魂が、ふらふら寄ったかと思えば眩く破裂する
三個の魂が、それぞれの発する光を食らい合うかのように交錯する)
ひとつ、ふたつ、みっつ。
みっつ、ふたつ、ひとつ。
大地はびっしりと、一個一個大きさがまばらな大量の光に埋め尽くされていた
夜を喰らい尽くした光は、代わりに目を閉じればそこに暗闇を見出す--即ちその肉に闇を内包した
ただ、夜の暗黒に打ち勝ったという錯覚は甚大であった…
我々は夜闇を愛さねばならない
光を放つ肉は呪いだったろうか
いや、それこそが宿命であり、
受け入れなければならないもの
直視に耐えぬ光は
愚かしくも夜の生命を奪った
我等はその復讐として生きなければならぬ
夜よ、愛おしきセレナーデ、
お前の奏でる哀しい詩を聴く者は居るだろうか
我が光はあまりにも矮小かつ狭隘である
夜の持つ魂は空へと舞い上がり、ああ昼になった
夜を追いかけた我等は落下を続けるばかり
着地点は見出せず
永劫に落ちることが宿命であるならば、
その底にある筈のちいさな暗闇をせめて愛さねばならない
その復讐は、愛は、この世に滔々と流れる、怒り