傍観者violetapplemachine10月13日読了時間: 1分厳粛なさざめきも 存在の重量も空気の軽さの最中に塵として舞っているそれら全てを一心に我々は花束に物語らせる 花束を撒く 花束は塵を掻いて刹那に月光を断った
冬の忘れ物冬の忘れ物は 春を見ていた 陽光と半開きのドア その先に進むことが 私に出来るだろうか 桜はそよ風に乗り 蝶々が嬉しそうにその間を縫う 私にその先へ行くことが できるだろうか 冬の忘れ物は 冷たく冴える瞳を閉じた 冬の忘れ物は 春の果てを目指し飛び立った...
怪獣の絵怪獣の絵は額縁に収まった。 絵は額縁よりもっと大きいのである。 だが綺麗に収まってしまった。 怪獣の姿を描いた絵は、綺麗に額縁に収まってしまった。 怪獣の腹のクローズアップだけが額縁に収まり、芸術作品となる。 実に間抜けである。 怪獣もこれでは報われなかろう。...
呪い呪いは言葉のかたちをしたあなたの似姿で、あなたを深く慈しんでいる。 我々はこの真心の前では痛みに無頓着でいることが出来てしまう。 だから、 感覚を区別するために時間と手間を掛ける必要がある。 呪いとはいずれ決別する必要があるかもしれない。...