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冬の忘れ物

  • violetapplemachine
  • 10月8日
  • 読了時間: 1分

冬の忘れ物は 春を見ていた


陽光と半開きのドア

その先に進むことが

私に出来るだろうか

桜はそよ風に乗り

蝶々が嬉しそうにその間を縫う

私にその先へ行くことが

できるだろうか


冬の忘れ物は

冷たく冴える瞳を閉じた


冬の忘れ物は

春の果てを目指し飛び立った


このように季節は動かされてゆくのだ

 
 

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